参考:ある卒業生の算数・数学のノートを通して

シュタイナー学園の学習の一例を、ある卒業生の1~9年生の算数・数学のノートを通してご紹介しましょう。

授業ではまず全体を示し、その中に存在するいろいろな部分に目を向けます。たとえば1年生では、足し算を教えるのに、「1+2=3、3+4=7」と、ひとつしかない答えを出すのではなく、「10はいくつといくつに分けられる?」と子どもに問いかけます。豆やくるみ、どんぐりなどを机の上に広げて、子どもたちはそれぞれ数え出します。「1こと9こ!」「3こと7こ!」6こと4こ、5こと5こ……答えはひとつではなく、そこにはいくつもの可能性があるのです。

1年生の算数

ローマ数字での足し算の導入のノート

「I、II、III、IV、V」と、子どもが自分の手指と同じに捉えることができ、理解しやすいローマ数字で、全体を部分に分ける可能性を見つけていく。

2年生の算数

位取りの学習のノート

位取りの仕組みを、2年生にわかりやすく導入するときに物語ったねずみの宿屋の絵。「町のすもう大会のために全国からねずみが集まります。……」

3年生の算数

数の並びのノート

魔方陣、ピタゴラスの三角数、四角数など、いろいろな数の遊びを導入。将来の数列の学習につながる。

4年生の算数

1より小さい数の世界・分数から小数のノート

小数は抽象的で、子どもにはわかりづらいもののひとつ。「数の世界は、たった0と1の間だけでも、実はいっぱい数があるんだよ」ということから学んでいく。

5年生の算数

ピタゴラスの定理の導入のノート

「三角形のお百姓さんの庭がありました。畑がふたつ、上に広い牧場。ふたつの畑と、牧場ではどちらが広いだろう」。この授業は、8年生で学ぶ「a2+b2=c2」の数式へとつながっていく。

6年生の算数

幾何学(図形)のノート

5年生から始まり、フリーハンドで習った幾何を、6年では定規、コンパスで正確に作図していく。円を基本に、円の重なりの中に見られる図形の法則を見出していく。

7年生の算数

幾何学(図形)のノート「ターレスの定理」

円の中に、内接するいろいろな直角三角形/鋭角三角形/鈍角三角形を描いてみる。直角三角形では斜辺が必ずいつも円の中心で交わることが発見できる。鋭角三角形や鈍角三角形ではどうか。

8年生の算数

1:1.618という「黄金比」を、植物の中、貝の渦巻きの中、ダ=ヴィンチのしたように人体の中にも見つけていく。……8年生の生徒は、体を筋肉が覆っていく時期で、自己の内面に向かいともすれば自己中心的になる傾向がある。人体を客観的に、しかも美しいものとして観るための働きかけが、この学習にはある。

9年生の算数

円錐曲線の学習のノート

円、楕円、放物線、双曲線は、実は全て円錐の中の断面に現れるひとつの家族のようなものだ。球に当てるライトの角度を変えると、現れる影は円、楕円、放物線、双曲線になる。9年ではこのほか確率、因数分解、2次関数などを学ぶ。

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