シュタイナー教育Q&A

Q1
シュタイナー教育って何ですか?
A
オーストリア生まれのルドルフ・シュタイナーが1919年にドイツで始めた教育実践です。子どもの体と心の発達観に基づく12年間の体系的なカリキュラムを持っています。知性だけでない子どもの心や体、精神性をも含めた全人教育を目指し、そのためには教育そのものが芸術行為であることが大切だと考えています。
心と体の両面から子どもを健全に、健康に育てることを深く考えている学校だと思い、入学を望んだ。

(在校生保護者)

「速く、正確に、安く」が主流の世の中の大きな流れのなかで、子ども時代をゆったりとした子ども本来のペースで学び、遊び、育つ環境がシュタイナー学園にはあると思った。

(在校生保護者)

知識を与える、教える、覚えるというのではなく、種をまいていくような教育であると感じる。
芽が出るまで時間がかかるものもあるかもしれないが、そのありようを受けとめて育てていくのがシュタイナー教育かとも思う。結果だけでなくその過程がとても大切にされている教育。

(在校生保護者)

Q2
なぜ教育が芸術行為であることが大切なのですか?
A
芸術には、日常と精神を調和的に結びつける力があります。芸術的なものに触れると、人の感情は高まり、感覚が対象に集中します。喜怒哀楽の感情とともに取り入れた知識は鮮明に記憶することができるのです。知識を芸術行為によって伝えることで、頭だけではなく、心や体も含む全体に働きかけることができます。当然ではありますが、計算や漢字など一般的な反復練習も行います。
物語の形式で聞いた歴史や神話など、今も鮮明に記憶していて、大学で関連のテーマが出てもごく普通に理解している自分がいる。一方で後に受験のためにテキストで覚えこんだ知識は、試験が終わったら全て忘れてしまった。

(NPO藤野シュタイナー高等学園卒業生)

当初は芸術的側面が先に入ってしまい、いわゆる学問としての教育がどのように行われるのかが疑問でした(入学してそれは解消しました)。

(在校生保護者)

Q3
どのようにして教科を芸術的に教えているのですか?
A
歌や詩、物語をあらゆる教科で導入しています。水彩画やフォルメン、教師の描く黒板絵を子どもたちが丹念にノートに写し取ることも芸術行為です。体を動かすこと、算数に木の実などを使ったり、自然素材を使って自分の手で教材を作ることもあります。
ゆっくりと時間がかかっても、数学の公式を歌で覚えたり、どんぐりを使ったり、体を使って九九を覚えたりしたことは今でもきちんと覚えている。

(卒業生)

1年生のエポックで、初めての文字導入の際のエピソードです。1日目、クレヨンでノートを青く塗り、2日目に真ん中に小さい黄色を塗り、日を追うに従ってその黄色が大きく放射状になり、3日間かけて「光」という漢字を学びました。ノートを黄色の光で満たしていくときに、ひとりの女の子が「先生、まぶしくて目があけられません!」と叫んだそうです。机上で字面を追いながら記憶するのではなく、喜びと感動をもって体験する学びを目の当たりにしました。

(在校生保護者)

Q4
点数による評価がないと聞きましたがそれはなぜですか?
A
教育の目的が、試験で高得点を取れる知識を身につけさせることではなく、年齢ごとの発達にふさわしい働きかけにより全人としての子どもを育むことだからです。成績を競うのではなく対象への興味と知る喜びが、学習の動機となることを理想としています。
シューレ(シュタイナー学園前身の東京シュタイナーシューレ)ではテストがなかったが別にそれでいい。定期テストはその場限りの知識を詰め込むだけなのですぐに忘れてしまう。

(卒業生)

今の日本は競争社会で、目に見える範囲で人に優劣をつけて評価しようとする傾向があるが、本当は人間の価値はそんなものだけでは測れないはず。自分のものさしをしっかり持った人間になって欲しいと思ってこの教育に可能性を感じました。

(在校生保護者)

子どもが外部の高校に進学しました。テストで高得点を得るためには、とにかく一定の時間の中で多くの問題を解いていかねばならず、そのテクニックを身につける必要があり、学びの本質について考えさせられました。シュタイナー学校の学びは、魂に力をあたえる深いものであることを実感した 。

(卒業生保護者)

Q5
点数ではないとすれば、何を評価の対象とするのですか?
A
個々の生徒の理解度は、日々の授業での受け答えや提出物、ノートのまとめ方などで把握することができます。今の子どもの姿を通して、どのように伸びようとしているかを見極め、それに向けてどれだけ努力したかも評価します。また、中学生以上では確認のためのテストを行うこともあります。しかしこれは生徒が自分の理解度を客観的に認識するためのもので、点数評価をしたり、競わせたりするためではありません。子どもの総合的な成長の様子は、学年末に各教師が書く「成長の記録」で保護者に伝えます。ただし、卒業時の進学に際し評定が求められた場合に備え、点数による評価も準備します。また、指導要録への記載など、法令に定められた教育活動の評価を行っていきます。
大学受験のための勉強やテストに追われることなく、自分が将来何をしたいか、どういう職業に就きたいか考える時間があった。人の価値が成績によって決まるという感覚がないので、テストの成績を気にして卑下したり、人を見下したりすることは一切ない。

(NPO卒業生)

Q6
教科書に頼らずにどうやって授業を行うのですか?
A
初等部では教員が単元を研究し、その時期のそのクラスの子どもたちにふさわしい方法を創意工夫によって編み出しながら教えます。子どもたちは板書を写して色鮮やかなノートを作ります。教えるべき内容は教科書に準拠していますが、手法が目の前の子どもたちに合わせたものになります。また、高等部では教科書を使用します。
エポックノートは自分が作るものだが、作っていく過程で書く内容を選択したり、わからないことを調べながら書くので頭に入るし、絵や図を描くことができるのがいい。楽しい。教科書は書かれていることを覚えるだけなのでおもしろくない。

(卒業生)

エポックノートを書くことだけに一生懸命になり、先生の話を書き取るのは上手になったけれど(今も役に立っている)実は授業の内容は全く覚えていないという子もいます。子どもによってかなり差があるということも念頭に置く必要があると思います。

(上記卒業生保護者)

教科書を読めば授業になる一般の授業と比べると、教科書のないシュタイナー教育では、教師がする授業の準備は半端ない!と思う。

(卒業生)

Q7
教科書を使う高校の授業でも、シュタイナー教育と言えますか?
A
高等学校の学習指導要領は、義務教育と違って柔軟性があり、学校設定科目が認められるなど、シュタイナー教育本来のカリキュラムから逸脱することなく実施しています。学びの中の驚きを維持し、生徒の自ら考える力を引き出せるように、教科書の使い方を工夫します。高等部の特徴である多彩な実習や演劇、卒業プロジェクトなども妥協のない形でカリキュラムに組み込んでいます。
教科書やテストを使わず、教師の裁量を優先する教育のデメリットは、 特に英語に関して体系的に文法を学べずに来た感があり、語学にはテキストが必要ではと思うことがありました。テストがないため子どもがどこで躓いているかが家庭でも把握しづらい、漢字の正確な書き方、細かい部分がどうしても曖昧になりがちです。

(転出生保護者)

Q8
エポック授業という集中して教科を行う授業があるようですが、通年続けて授業をしないで子どもが内容を忘れてしまいませんか?
A
長年実践を重ねてきて、エポック授業にはいくつものメリットがあることを実感しています。朝の最も集中できる時間に105分間じっくりと取り組むことで教科の内容が非常に深められます。数週間そのテーマに没頭するため子どもたちの理解も深まり、芸術的なアプローチを用いることでより強い記憶を残します。
エポック授業は続けて行われるため、わからないところをわからないままにして授業が進むことはあまりなかった。理解できないと次のことがわからないので、理解していないこともすぐに把握できた。
週一回の授業だとわからないところがわからないまま、終わってしまったこともあった。今日さえ終われば、来週なんとかなると思ってしまい、きちんと理解しないまま次に進んでしまっていた。

(卒業生)

Q9
特色ある授業は何ですか?
A
エポック授業の他、全学年通して学ぶオイリュトミー、手の仕事、4年生までのフォルメン、5年生からの工芸などが特色ある授業です。12年間通して子どもの成長を考え、ふさわしい時期にふさわしい事柄が学べるように配慮しています。
フォルメンやオイリュトミーは「こんなことして何のためになるのか…」と子どもながらに思っていて今も漠然としているが、あの時間は技術向上の授業ではなく自由な表現や他との協調性・集中力を養うような時間になっていたのかと思うようになってきた。

(卒業生)

木や鉄の触感をじっくり味わいながらの工芸の授業や、遥か昔の生活や出来事を思い描きながらひたるように学ぶ歴史、土にまみれて自分たちで育てた小麦をうどんにしてみんなで祝い食べる。シュタイナー学園では何がどれだけできるようになったかよりも、子ども達が授業からどんな出会い、体験ができたかがとても重要に考えられていると思います。

(NPO在校生保護者)

手の仕事、工芸の授業の学びにより手先は大変器用です。日本人のものづくりの伝統を守る力を感じます。

(NPO転出生保護者)

5年生から始まる工芸、6年生から始まる園芸については、この始まる時期は全くこの時が相応しい。子どもの手がその道具を使える手に変わってくるのがこの時期だからで、例えば、ナイフを使って鉛筆を削ることが滞りなくできる手になる。

(NPO在校生保護者)

親として思うのは…コーラスは、まず他者の歌声を聞いて、聞きながら自分のパートを歌います。自分を活かすには他者があってこそ、そして共同の成果であるハーモニーはますます自分を喜ばせてくれる。…それはオイリュトミーも同様でした。ことに高学年にとっては、人として生きてゆく栄養だったと思います。

(NPO卒業生保護者)

Q10
担任が8年間変わらないことには、どんな意図があるのでしょうか?
A
8年間継続して持ち上がることで、学齢期の始まりから思春期にさしかかる子どもたちの成長の全体を見通し、長期的なまなざしで育てることができます。子どもの様子を深く観察しながら、今最も大切だと教師が考える事柄を優先して学習速度を決めることができます。子どもたちは同じクラスの仲間と、様々な節目を乗り越えながら互いを真に知り、共に生きるすべを身につけます。そして8年間権威として目前にいた担任を乗り越え、離れることによって健全な思春期を迎えると考えています。
大学に来て、ものすごく久々に新しい友達ができたなと実感した。多少人見知りするところがあるのは、人数の少ない親密なクラスで小学校からずっときたせいかもしれない。性格にもよるが、思春期の頃にはもっと多くの人との出会いや関わりが持てると良いのではないか。

(NPO卒業生)

親以外の大人と8年間にわたりとことん付き合う経験は子どもの中に人間への基本的な信頼を育ててくれました。「愛があった」と子どもが振り返って言っていました。

(転出生保護者)

8年間担任制は、信頼関係を築くとともに、権威へのバランスの取れた関わり方を身につける点でも大きな意味があるとも感じます。ひとりの先生を全身全霊で慕い尊敬し、やがて成長とともにその同じ存在を乗り越えようとする過程に、権威に対して尊敬を払いつつ縛られず捕らわれない「自由」な姿勢を獲得するための大きな助けがあるように思います。

(NPO在校生保護者)

私たち両親や祖父母以外に、8年間変わらない担任の先生が、長期間子どもを見守り支えてくださるところ、子どもに畏敬の念を持って接してくださるところにも魅力を感じました。

(在校生保護者)

Q11
子どものテレビの視聴やコンピュータの使用を禁じていると聞いたのですが、それは何故ですか?
A
コンピュータは、高学年でその原理を学んでから授業や家庭での調べ学習でも用います。テレビやビデオなど様々なメディアは低学年には推奨していません。デジタル化された映像や音響の刺激に没頭する前に、充分に感覚を使って自分で歌を歌ったり、絵を描いたり現実の事物や他者とかかわる体験をして欲しいからです。若年層へのメディアの弊害はシュタイナー教育に限らず、様々な学説で支持されています。

心理学者アリク・シグマン博士(イギリス心理学協会)
テレビの視聴は脳に様々な影響を与え、子どもの想像力の発達を阻害する。また、かつて考えられていたよりも、視力の低下、肥満、性的早熟や自閉症になりやすいなど、子どもたちの健康にとってリスクを高める可能性がある。
Sigman, Aric, Dr. The Effects of Media Influence and Screen Culture on the Developing Child
Visual voodoo: the biological impact of watching TV

小児科医アリ・ブラウン博士(米国小児学会)
TV、DVDプレイヤーなど受動的エンターテインメントの視聴は乳幼児に悪影響を及ぼす可能性があるとの研究成果をもとにした科学的知見を発表。「遊びは子どもにとって、問題解決を行い、想像力を使い、創造的に考える貴重な時間だ」
「2歳未満の子供にはテレビを見せないで」、米国小児科学会が指針

子どもが9年生になった頃でしょうか。ふと、「テレビ観る生活してなくてよかった。ありがとう」と言ったのです。もしテレビを観ていたら夢中になってその話題ばかりになっていた。あの自分と友達(仲間たち)の世界に没頭する幸せな時間を過ごすことができなかったねと。

(NPO保護者)

実際に兄弟を通学させて来て思うことは、夥しい情報に曝される時代、子どもの健全な心身の成長には当学園のように学校と家庭が連携してテレビや電子ゲーム、漫画などのメディア、娯楽からの刺激を避けることが本当に有為だということです。子ども時代をメディアから守られて育った子どもたちは、相手に向かう姿勢が温かく、落ち着いていて、素朴さを持っています。

(在校生保護者)

Q12
低学年でのサッカーや野球を推奨しないと聞いたのですが、それはなぜですか?
A
肉体の基礎を形作る低学年のうちは、バランスよく全身を発達させるため、身体の特定部位に偏った負担を伴うスポーツは推奨しません。また、あまり幼いうちから競争心を煽ることも望ましくないと考えています。しかし骨格が発達し、心身ともに準備が整った高学年になれば、体育の授業の一環としてソフトボールやサッカーも行います。
入学前にはスポーツを通じて男の子の競争本能を発散させていたので、今子どもは物足りなく感じており、それについてうまく子どもに説明できないでいる。

(在校生保護者)

既存のスポーツの導入が8〜9年生くらいからで、一般と比べて遅いことに初めは納得がいきませんでしたが、例えばバスケットボールをするにあたり、子どもたちの肉体的な発達や判断力などの様子をみていて、確かにそれ以前では子どもの能力にそぐわないのかもしれないと感じるようになった。

(NPO保護者)

Q13
入学前の読み書きや早期教育に否定的なのはなぜですか?
A
幼いうちに知識偏重の教育をすることは、想像力や感覚器官、肉体の基礎作りを阻害すると考えています。このような考え方はシュタイナー教育に限りません。

発達心理学者内田伸子教授(お茶の水女子大学)
文字を習得している幼児と習得していない幼児に、それぞれ空想でお話をつくってもらったところ、文字を習得していない子どもの方が想像力豊かな内容だった。幼児期には五感を使って親子で体験を共有することが大切です。親子のコミュニケーションや会話のやりとりを通じて、子ども自身が考えて判断し、親子の絆が深まっていく中で子どもの語彙力は豊かになる。

発達心理学者内田伸子教授(お茶の水女子大学)
AERA(2010年4月26日号)「早期教育効果は小学生で消える 子どもの学力は何で決まるのか」

教育学者汐見稔幸(東京大学名誉教授・白梅学園大学学長)
基本的にほとんどの項目で例外なしに体験認知型の子どもの情緒性、自発性、運動性、認知性、社会性の育ちが、パターン認知型(いわゆる知育)に比べて総じていいというデータが出ております。
中央教育審議会「幼児期からの心の教育に関する小委員会」(第11回)平成10年1月29日議事録より

早期教育に疑問を持ち、生きる力が本当に身につくように育てたかったので入学させました。

(在校生保護者)

学ぶ順番が他校とは違うが、シュタイナー学校の子どもの成長(学びのステップ)のとらえ方は他校よりも子どもに合っていると思う。

(在校生保護者)

Q14
卒業後の子どもたちはどのような進路を選んでいますか?
A
高等部、及びNPO藤野シュタイナー高等学園の卒業生の大多数は大学に進学しました。専門学校へ進学した子、職人や芸術の道を選んだ子もいます。入学時に学力考査を行いませんので子どもの学力は様々です。高等部課程での実習や卒業プロジェクトを通して、進みたい道を見つけることもあります。
プロジェクトや福祉実習で尊敬できる大人に出会う機会があったことで自分の進みたい方向性が見えてきた。それで大学の行きたい学部が決められた。ただ大学に入るためではなく、目的をもって受験勉強ができる。

(NPO卒業生)

大人に近づきつつある上級生の行いを見る機会に触れる度に感じることは、「自分で考え、行動できる人」正に、シュタイナー教育の目指す人間に成長しているということです。

(在校生保護者)

大人になってからも自分探しに苦労している人が多い世の中、できることなら大人になる過程で、ゆっくりと自分を見つめながら成長して欲しい。シュタイナー教育にはそれを実現できる可能性があると信じています。

(在校生保護者)

Q15
シュタイナー教育は特定の宗教と結びつきがあるのでしょうか?
A
特定の宗教との結びつきはありませんが、季節ごとの行事には、日本の伝統的な節句と並んでキリスト教文化圏のものも多く取り入れています。また、シュタイナーの思想の根底には、独自の世界観があります。けれどもそういった世界観も、シュタイナーという人物についても、学校で教えることはありません。シュタイナー教育は、シュタイナーの人間観を基礎に組み立てられた教育体系で、子どもの発達についても独自の見解を持っていますが、例えば早期教育の効果を信じる人も、子どもの脳は幼いうちはいくらでも知識を取り込む力があるという独自の発達観に基づいていると言えるでしょう。教育体系がそれぞれ固有の発達観を源泉として構築されることは自然なことと考えます。教員養成ではシュタイナー教育の理念を学びますが、教員が必ずしも全てを無批判に信じている訳ではありません。

私たちは子どもたちの中に宗教的な敬虔さを息づかせることは大切だと考えており、低学年では聖書や古事記、様々な神話をお話として聞いたり演じたりし、高学年では世界の文化的背景としていくつかの宗教を学びます。ただし、特定の宗教への誘導的な教育は行いません。シュタイナー学園の保護者や関係者には、キリスト教徒も仏教の僧侶も、神主の資格を持つ人もいます。

Q16
シュタイナー教育はカルトではないのですか?
A
シュタイナー教育はカルトではありません。カルトまたはセクトと呼ばれる組織には、「指導者や創始者への絶対的な崇拝や服従」「社会からの断絶」「金銭の要求や心身への脅威」「反社会的活動」などの特徴があると定義されています。シュタイナー教育はそのいずれにも当てはまりません。また、シュタイナー自身が特定の世界観を子どもに押し付けることを厳に禁じ、自分の理論はあくまで仮説と捉えて各分野で検証して欲しいと語っています。シュタイナー学園は、2005年に藤野で開校以来、地域との良好な関係を築きつつ学校を運営してきました。また、組織としての重要な決定を諮問する評議員会には、一般地元住民や学識経験者の方々に加わっていただいており、カルトとはかけ離れた社会性を確立しています。

ちなみに、シュタイナー教育がカルトであると批判するアメリカの運動PLANSは、公立のシュタイナー学校が、教育と教会の分離原則を定めた合衆国憲法に反するという抗議の中から生まれたものですが、度々の訴訟にすべて敗訴しており、シュタイナー教育の理念や手法が不適切なカルト的性格のものではないことが証明されています。シュタイナーの思想自体は確かに神秘主義的な世界観を持っており、私たちの教育体系と授業法にはシュタイナーの人間観を生かしているとは言えます。しかし、シュタイナー学園はシュタイナー思想を教育内容とする学校ではありません。

国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が承認するユネスコ・スクールASPnet (Associated Schools Project Network)に、国内外のシュタイナー学校がいくつも加盟しており、ユネスコ憲章「自由に対する普遍的な尊重を助長するために教育、科学及び文化を通じて諸国民の間の協力を促進することによって、平和及び安全に貢献する」に合致した教育であると認められています。

さらに、体、心、知性だけでなく、大自然や宇宙とのつながりをも重視したいのちの教育を目指すホリスティック教育の分野でも、シュタイナー教育の存在感は大きく、モンテッソーリなどと並んで代表的なオルタナティブ教育として社会に認知されていることからも、この教育の社会適合性が証明されています。

Q17
シュタイナー学園に幼稚園は併設されていますか?
A
幼稚園はありません。藤野と高尾に行政の認可の無いシュタイナー幼稚園があります。学園の児童生徒の弟妹も多いですが、学園とは別の組織です。学校法人として、幼児教育施設を持つためには、幼稚園や認定こども園の設置要件を満たす必要があり、これは容易ではありません。しかし、幼児からのシュタイナー教育の重要性は認識しており、幼児教育の場を設置する方法を、様々な角度から模索しています。

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