ふじのやまなみクロスカントリー駅伝競走大会(2015/12/20)

 
ランニング部コーチ 松永裕三子

シュタイナー学園のランニング部は、地元で行われるこの大会を目標に、一年かけて練習しています。

一般、小学生の部、合わせて約80チームが出場する大会で、1チーム5名編成で行われます。この大会の最大の特徴は、クロスカントリーと言われるアップダウンの激しいコースで、平坦な道がほとんどないことです。

シュタイナー学園からは、毎年6年生が「小学生の部」で出場するのが伝統となりつつあります。学園前道路がコースに入っていて学園を挙げての声援が送られるので、「6年生になったら出る!!」という憧れの大会でもあります。他者との比較や競争とほとんど無縁のこの教育において、駅伝大会出場は、ちがう世界に一歩踏み出す大きなチャレンジでもあります。

学園の周囲は走る環境にとても恵まれています。まず、車が少ない。そして、自然に囲まれている。アップダウンに富んでいる。走るという単調な競技にとって、自然が織りなす毎日ちがう景色、アップダウンの変化に富むスピード感、これは飽きずに楽しめる要素のひとつでもあります。さらに、学園の周りにはいくつもの登山道路があり、トレイルランニングも楽しめます。舗装されていない道を走ることで、着地点を見極める判断力、でこぼこの道でもバランスをとる筋力が知らず知らずのうちに身につきます。そして、自然の中にいるということが精神にも働きかけ、子どもたちは生き生きと輝き出します。
私はランニング部のコーチになって2年近くになります。

ランニング部には、走りたいという意志を持った子どもたちが入部してきます。「自分はどこまでやれるのか?」多感な中学生の時期、自己探求のチャレンジとしてはもってこいのスポーツです。タイムひとつ計るのも、今まで経験がほとんどない子どもたちにとってはプレッシャーになるため、計ってほしいという子だけを計ります。そのうち少しずつ慣れてきて、最終的には自己ベストへのチャレンジというところに行きつくのですが、最初はどうしても他者との比較になります。他者との比較が良い効果をもたらす時期でもあります。走るという地道な努力には、負けたくないという気持ちも必要です。しかし、「他者との比較は、本当の意味において自分を高めることにはならない」ということを子どもたちはどこかで知っています。何度もタイムを計っていくうちに、自分の前回の記録との比較へと移っていきます。また、そうなるように導きます。

ランニングの魅力は、努力が確実に結果へつながるところにあります。地道な努力は、意志を鍛え自信を育てます。みずから走る意志を持って入ってきた子どもたちでも、走る前には毎回「走りたくな~い」と言いますが、それでも走り終われば、もっと走りたくなります。これは、体験した人、苦しさを乗り越えた人にしかわからない爽快感、達成感からくる喜びなのかもしれません。また、駅伝ならではの仲間意識、連帯感も生まれます。

走ることを通して多くの体験をしていく子どもたちの力走は、応援している人や、コーチの私にも力と喜びを与えてくれます。

 
(シュタイナー学園通信No.34より)


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