学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2019.05.22

1年生を迎える

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.59  2019.05.22

新しい年度の始まり。美しい桜の中、ひとつずつ学年が上がった在校生たちが学校に戻ってきました。新しい教室、担任の力作の黒板画、転入生や新しい先生方との出会いもあり、新たな1年間の学校生活に向けての新鮮な喜びがあります。そして、2日後には新1年生が入学してきます。入学式前日には、会場となる体育館に上級生がじゅうたんを敷き、低学年の子どもたちも椅子を運び、全校で1年生を迎える準備をします。

入学式当日。冷たい雨の一日という予報通り、朝早くからみぞれが降り、それが雪へと変わり、1年生が登校してくる頃には、藤野の山々は美しい銀世界へと変わりつつありました。玄関で1年生を迎えるのは6年生。毎年、6年生はお世話係として、1年生がスムーズに学校生活を始められるように、一緒に遊んだり、いろいろと教えてくれたりします。あやとりや折り紙をしたり、校庭で遊んだり、一緒にお散歩に行くこともあります。七夕には、文字を習い始めたばかりの1年生のために墨で短冊に願い事を代筆してくれます。5年前、自分達が入学してきたときには、やはり6年生が温かく迎えてくれました。そのことも思い出しながら、1年生のお世話をしているようです。

会場の正面に並べられたベンチの上には、1年生一人ひとりの色とりどりの座布団が置かれています。在校生が奏でる柔らかなライアーの音色と澄んだ歌声、そして歓迎の拍手に迎えられ、6年生に手を引かれて1年生が入場してきます。一人ひとりがベンチに座り、会場が落ち着くと、低学年の子どもたちによる歓迎の歌、そして担任の先生の紹介です。この日、1年生は初めて担任の先生と出会います。在校生にも担任の先生の名前は知らされておらず、在校生も新1年生の担任が誰なのか、毎年、予想をしつつ、楽しみに待っているのです。

そして、担任の先生が紹介されると、次に一人ずつ子どもの名前が呼ばれ、先生のところに行って握手をします。そして、最高学年の12年生から花束が贈られますが、今年は12年生が球根から育てたチューリップの花束でした。その後、2年生の先生からお話(素話)のプレゼント、各クラスから歌やおめでとうの言葉があり、式が終わると1年生は教室に行き、初めての授業を受けます。

なぜ学校に来るのか、私たちの手は何をするためにあるのか、どのような言葉で、どのような授業が行われるのか…大切にされる本質は同じでも、授業というのは、担任の先生と子どもたちが創り上げていくものです。どのクラスもそうですが、1年生のこれからの学びは、そのクラスだけのかけがえのないものです。

さて、お世話係の6年生は、一生懸命、1年生のために頑張っています。5年生は、子ども時代の黄金期と呼ばれ、心身の調和がとれる時期。6年生は、骨が成長し、身体が重くなっていきます。思春期に向かい、思考の力が育ち、少しずつ利己的になっていくとも言われます。早い遅いは個人差が大きいですが、6年生というのは、純粋に子ども時代を楽しめる最後の学年かもしれません。そのような時期に、6年生のことが大好きな1年生から頼りにされ、お世話係として共に過ごすことは、彼ら、彼女らにとって貴重な体験であり、6年生としての自覚も生まれます。「1年生かわいい!」と話してくれたり、笑顔で接したりしている様子を見ると、6年生の子どもたちも喜びをもらっているようです。

お世話係をしてくれた学年との絆は、その後もずっと続いていきます。担任期間の締めくくりである8年劇のときには、そのとき3年生になっている元1年生が花束を渡します。少し恥ずかしそうに、でも、とても嬉しそうな子どもたちの姿が見られます。

ゴールデンウィークの長いお休みも終わり、1年生は今、のびのびと毎日を過ごしています。校庭を駆け回ったり、6年生におんぶしてもらったり、運動遊び(1年生の体育)では縄跳びやサボテン(鬼ごっこ)を大きな声をあげながら全身で楽しんでいます。これからの一年間、藤野の美しい自然の移り変わりと共に、一人ひとりはどのように変化し成長していくのでしょう。

縁あってここで出会った先生方と仲間と共に、これからの長い学校生活の中、たくさんの体験をし、感じ、考え、学んでいってもらいたいと思います。

クラス補助/ライター  岡田佳子