学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2025.07.10

暮らし

藤野移住へのプロセス

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.213 2025.7.9

神奈川県の北端、相模原市緑区藤野エリアにあるシュタイナー学園には、入学を機に移住するご家庭が少なくありません。都内など比較的近い場所からの移住もあれば、関東圏外や海外など遠方から来るケースもあります。移住はどのご家族にとっても大きな決断。学園のオープンデイや校内ツアーなどでも、移住に関する質問がたびたび寄せられます。

移住してきたご家庭に、いつ頃移住を検討し始めたかを伺うと、「入学を検討すると同時」という声が多数です。多くの方がインターネットの不動産情報などを見ることから始めますが、藤野の物件情報は決して多くないため、入学が決まっても家が見つからなかったらどうしよう? と不安に思う方が多いようです。

藤野観光協会で移住相談を行なっている田中秋夫さんに、物件探しの時期について伺いました。

「学園への入学を希望して移住したいという方には、入学が決まらなくても藤野に住みたいかどうかを尋ねます。藤野に来て、この地域が気に入り、入学如何によらず、ここで生活したいと考え始めるご家族もいるからです。その場合は、物件探しは早めに始めることをお勧めします。学園へ通うことが前提の場合は、入学が決まった秋以降に探し始めたら良いと伝えます。移住が具体的にならないと、ご紹介できる物件も限られてしまうんです」

また、移住には段階を踏むこともできそう。

「中古物件は、比較的見つかりやすいので、物件の条件がすべて希望通りではなくても、まず最低限の条件に合う物件に引っ越してみるというケースもあります。その際には、必要に応じたリフォームのアドバイスをしています。そうして藤野に住みながら、納得のいく物件探しをする方は少なくないですし、これまでの方たちの多くはご希望に合う物件等を見つけているようです」

実際に暮らしてみると、土地勘もでき、人のネットワークを介して土地や住まいの情報が入ってくることもあります。移住後に土地を購入したご家庭の体験談をお聞きしました。

「当初、“これだけは譲れない条件”をクリアする場所にまずは住んでみたら、とアドバイスされ、2〜3年は仮住まいのつもりで賃貸のアパートに入居しました。夫が都内通勤なので駅まで歩けること、そして冬に物件を見に行き氷点下の寒さを実感し、お風呂の追い焚き機能があることが、譲れない条件でした(笑)。アパートもご近所の人との関係がとても温かで、子どもも受け入れてもらえ楽しく過ごすことができました。仮住まいからまもなくして、近所の畑が売りに出されると聞き、地元の方にも相談し、土地を購入しました。そして、移住から2年目で、新築した家に引っ越しをして、今はそこに暮らしています」

その他にも、お仕事の都合もあり、まずは通勤の便の良い、高尾や八王子に住み、その後藤野へ移住するご家庭もあります。

学園主催の春・夏の「シュタイナー学校&移住ツアー」では、移住されたご家庭を訪ね、移住プロセスや買い物、通勤のことなど具体的な暮らしの質問をしたり、状況を確認することができます。また、年2回開催の「疑問解消!お父さんのためのオンライン座談会」では、お父さん目線での話もお伝えしています。

また、藤野観光協会主催の移住希望者向け「藤野移住体験ツアー」では、藤野の色々なエリアを巡って移住者の声を聞き、物件見学をすることができるので、地域ごとの特色も知ることができるようです。

こうした様々な機会を活かして、まずは藤野を訪れてみる。そんなスモールステップを踏みながから考え始めてみてはいかがでしょうか。

 取材/事務局広報