学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2017.07.10

世界と一体だった子どもが、 「自分に気づく」時に取り組む「家づくり」

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.4  2017.07.10

準備から体を使って体験、家づくりエポック
シュタイナー学園では、4年生のこの時期、エポック授業で家づくりをします。

4年生の担任の先生が、家づくりの前に、子供たちにどんな家を作りたいか聞いてみたそうです。

「安心できる家」
「きれいな家」
「涼しい家」、、、。

どんな家だったらみんなが作りたい家になるのか、みんなで考えてみました。

木の枝を拾ってきてインディアンの住居である「ティピー」を作ったり、 ミツロウ粘土でイヌイットのイグルーを作ったりと、模型作りも体験。 世界にはどんな家があるのかという学びを深めていきます。

家づくりへの夢が膨らみ、私の娘も早く作りたいとワクワクしている様子でした。

助け合い、自ら考えてそれぞれの仕事に取り組む

いよいよ家づくりに取り掛かり、まずは校庭に穴を開けて柱を立てる作業。 3年生の時に自分たちで山から切り出し、乾燥させておいた杉の大黒柱を「せーの」で立ち上げると、子供達から歓声が湧き上がったそうです。

柱がまっすぐに立つ様は、生まれてきた子供が成長して 、一人の人間として立つということと繋がっていると、先生は言います。

私が家づくりのお手伝いに入ったのは、杉の大黒柱を中心として、地元の山で切り出した8本の太い竹の柱が円形に並び、 竹を寝かせてロープで結んだ床が半分入ったところでした。

「私たちは家を作る 木を削り 木を運び 力を合わせて家を作る
外がどんなに荒れようと 安心してくつろぐことのできる家
私の中に静けさを 小さな明かりを灯すよう
一人一人は小さな力 自然の力に助けられ
つながれつながれみんなの心
声かけあって力を合わせて働けば きっと丈夫な家になる」

家づくりの前には、こんな詩を唱えます。

竹を選んで運ぶ子、竹の節をのこぎりで切り落とす子、床の長さよりも長い竹を切る子、ロープでつなげていく子、竹の上に乗って竹をおさえ(ながらじゃんけんをはじめ)る子、、、。

ボーっとしたり、ほかのことをしている子は一人もいなくて、 みんな自分なりに家づくりに向き合っている様子が感じられました。

「次やりたい子!」「〇〇ちゃんやってよ」などと掛け声をかけながら 自分たちの仕事を探して、どんどん床ができていきます。

「ここのロープは2ひろだって」と言いながら両手を伸ばしてロープを測り、メジャーを使って竹の長さを測る。 算数エポックで「測る」というとことを体を使って学んだ授業が 家づくりに生きているのだな、と感じました。

ロープは「巻き結び」や「かく縛り」など、難しいものが多いのですが、 先生はほとんど手を出さず、分かる子に聞いて作業が進んでいきます。

女の子には難しい力仕事を、いつもやんちゃな男の子が手助けすると、すかさず「さすが!」の声。

困ったことは自分たちで話し合い、必要を感じるとさっとその場所に行って 手助けする子供たちの姿がありました。

何より感動したのは、どの子も他の子に手伝ってもらうと 「ありがとう」という言葉が自然に出ていることでした。

自ら立って生きていくため、体をつかって体験できる家づくり

周りのことが見え始め、しっかりと自分の仕事ができる年齢になっている4年生が、家づくりをすることは、成長にぴったりあっていると先生は言います。

自ら手を動かして家を作ることで自分の覆いを作り、安心できる母体を作ることができるようになる。しっかり大地に「私」というものが降りてこられるよう、 家づくりを通して発達を助ける。自分たちで安心できる母体を作ることによって 世界と離れていく不安が解消できる。

子供たちは、家づくりエポックによって、今までの守られた世界から 自分で立って生きる力を作ることができるようになるのですね。 男の子も女の子も、目をキラキラ輝かせて家づくりに向かう姿を見て、 しっかりと大地に根ざしていると感じました。

4年生が作った家は、11/18に開催される「まるまるマルシェ」で見ることができます。

子供たちが心を込めて作った家を、ぜひご覧ください。