学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2019.04.10

子どもの学びから気づくこと

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.57  2019.04.10

一年間の学びを終え、春休みを迎える子どもたち。新しい学年を迎える前に、保護者が受け取るものがあります。それは「成長の記録」。シュタイナー学園では、8年生(中学2年生)まで成績をつける通知表はありません。(※9年生(中学3年生)からは、学期毎に観点別の評価があります。)その代わりに、それぞれの授業を受け持った先生が子どもの学びの様子、頑張ったことや出来たことや課題を総合的に見て、一人一人に向けて書いてくれる「成長の記録」が保護者に手渡されるのです。

2年生を終えた娘のいる我が家には、2冊の「成長の記録」があります。ノートのような冊子をひらくと、見開きページいっぱいに基本授業を見てくださっていた担任の先生が、学んだこと、出来たこと、変化したことを記してくれています。そして各専科授業を受け持ってくれた先生が(オイリュトミー、音楽、英語、体育、手の仕事、水彩、中国語など。学年があがると園芸や書道、工芸も加わります)それぞれ学びの様子を記してくれているページが続きます。一人ひとりに向けて、これを書くのに先生方はどれほどの時間と気持ちを費やしてくれているのだろう、と思います。

そしてそんな「成長の記録」を見ることは、子どもの学びの進展を知るだけではなく、多くの気づきを私に与えてくれました。子どもがその子らしく生きられる力を育てて欲しい、そう思っているのにもかかわらず、子育てをしているとついつい出来たことより出来ないことが気になってしまう時がある。そんな時に「成長の記録」を開くと、はっとするのです。そこでは子どもが1年間でいかにたくさんのことに触れ、感じ、変化したかが書かれています。見ているとわたしが勝手に「出来ない」「出来た」と判断してしまっていた物事の間には、たくさんの過程と段階があるのだと気づきます。

そして、そんな過程や段階に優劣をつける必要なんてないのだと改めて思うのです。三段階評価や点数では計れない、過程や段階そのものこそが、子どもの学びの姿、成長している姿なのだと感じます。その最中の姿をこんなにも丁寧に見守ってくれている先生たちには、心から信頼と感謝の気持ちが湧きます。それぞれの子どもがそれぞれに、誰と比べる必要もない自分自身を築いていく。その力を得ることが学びなのだと思います。その姿を先生方と一緒に、わたしも見守っていこう。新しい学年を迎える子どもの背中を見ながら、そう思うのです。

ライター 中村暁野