学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2022.10.26

教育

2022高等部学園祭

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.143 2022.10.26

お天気にもなんとか恵まれ、今年の学園祭はコロナ禍でも名倉校舎の初中等部の子どもたちや保護者の皆様、他校のシュタイナー学校の生徒の皆さんや同窓生をお招きすることができました。

コロナ前のようにはいきませんが、保護者有志による出店も叶い、手作りお菓子の「なぐら屋」、フェイスペインティング、豆からこだわる淹れたての「タイニーワーク・コーヒー」、本格中華麺「イケ麺屋」などオープンしていただくことができました。学園祭を初めて体験する低学年の子どもたちが楽しそうに、真剣にお菓子を選んでいる姿には、自然と笑みがこぼれました。久しぶりに創設メンバーがそろった「イケ麺屋」は開店直後から長蛇の列。お腹も心も満たしてくれました。ご協力いただきました皆様に、心より感謝申し上げます。

学園祭実行委員こだわりのテーマ「タイムスリップ」は、旅行などに行けない今、様々な時代にタイムスリップして楽しんでほしいということで選ばれました。テーマに合わせ、校舎1階廊下は平安時代の絵巻物のように美しい藤の花の回廊が作られました。2階は明治時代、黒船来航による文明開化を彷彿とさせるガス燈や黒船の黒板画が飾られ、袴にシャツを着たコスプレイヤーたちがポップコーンや綿あめを販売しました。

生徒企画の「迷路とお化け屋敷」「リアル脱出ゲーム」では、ワールドワイドな時代感を表現。「迷路とお化け屋敷」は換気と暗さのための試行錯誤がありましたが、2日間とも大盛況で行列と悲鳴が絶えませんでした。「リアル脱出ゲーム」は頭をひねりながら考えるクイズがとても楽しかったです。

12年教室では、12年劇『マロース』の「カフェ・ ブナの森」を再現。卒業生の営むパン屋「ハウミューレ」とのコラボによるプチパンを販売し、大盛況でした。

これまでの学園祭では、生徒自身が楽しみたいという気持ちが前面に出てきていたのに対し、今年の実行委員は、自分が楽しむことよりも、ここ数年招くことができなかった初中等部の子どもたちに楽しんでほしいという思いが強くありました。その背景には、小さかった頃に来た学園祭の楽しい思い出があったようです。当時のテーマに沿って美しく飾り付けられた校内の印象が残っていたそうです。自分のためだけではなく、招待する小さな子どもたちへの意識をもち、配慮しようとする心持ちは、高等部生として素晴らしいことだと思います。

毎年学園祭は、11年生の生徒が中心となり、縦割りで準備を進め、お店を企画するなど、学園祭全体を動かしていきます。どちらかと言えば物静かで、自ら発信、表現することはあまり得意ではない今年の11年生ですが、率先して動く、計画をしっかり立てる、協力してコツコツと作業を進める、楽しい雰囲気を作り盛り上げる、役割分担により効率をあげる等々、一人ひとりが新しい「自分」に挑戦しているようでした。

「タイムスリップ」の未来の姿は、体育館に。生徒たちが一筆ずつ色を入れ仕上げた大きな花に「共につくる未来」への想いが表現されました。その他にも個々人の思い描く未来が展示されました。校舎に展示された12年生の卒業プロジェクトと共に、学園の高等部生のクリエイティブな表現として素晴らしい展示になりました。

ご来校いただきました皆様、ありがとうございました。今年は感染を防ぐため、時間や入場者に様々な制限がありましたが、来年こそは、多くの方々に楽しんでいただけるようになることを願っております。

ライター/教員 大嶋まり