学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2024.05.29

保護者

移住前の自分に語りかけるなら…

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.184 2024.5.29

シュタイナー教育との出会いは5年ほど前、長男が幼稚園の年長のころでした。きっかけは妻の友人のドイツ人親子です。お母さんはドイツでシュタイナー教育を受けて大人になり、お子さんも北海道でシュタイナー教育を受けていました。優しい雰囲気の中にしっかりとした芯を感じる、その親子の雰囲気に惹かれたのです。

その後シュタイナー学園で音楽の体験授業を受け、「人と人との目には見えない結びつき」を大切にしていることに大きな感動を受けました。今の時代だからこそ人間らしさを大切にする教育を子どもたちに受けさせたいと心に決めました。

しかし入学には移住が伴います。新しい土地でやっていけるか? 自宅はどうしよう? 職場のある横浜まで藤野から通えるのか? と不安もありましたが、最終的には「子どもの将来が大切」という思いと、「まぁ、なんとかなるだろう!」の勢いで決めてしまいました。今は長男が5年生、二男が2年生、そして三男が隣接するシュタイナー保育園に通っています。

藤野の暮らしが始まってみると、特に生活の不便は感じません。豊かな自然の中で、子どもたちは近所の子たちと毎日野原を駆け回っています。夏は綺麗な川で泳いだり、ヤマメやイワナを釣ったり、冬は雪が降ったらソリで遊んだり。

しかし片道2時間の通勤はさすがにきついものです。帰りは電車の乗り継ぎで30分近く待つこともあり、寒い冬には近くのお店で暖をとることも。けれど行きも帰りも座れるので、行きは車内で仕事、帰りは読書や映画など、自分の時間として楽しむようにしています。無理せず都心に泊まることもあります。通勤は大変ですが、これらを越えての楽しみと幸せがあります。

まず子どもたちが学校を楽しんでいること、これが親にとっては一番です。そして学校で習ったことを、目を輝かせながら話してくれること。しかもそれは自分自身が子どもの頃に教わったやり方と異なり、「へ~!そうやって教わっているんだ!」と感動が伴います。

すでに子どものほうが私を越えているものもいくつもあり、特に手先・指先がとても器用なのは驚かされます。あるとき私が友人への手土産に藤野で作られているチョコを買ってきました。私はそのまま手渡すつもりが、当時1年生の長男が「父ちゃんそれそのまま渡すの? ちょっと貸して」と言って、白紙にブロッククレヨンで色を重ね塗りし、それを綺麗に折ってラッピングしてくれました。重ね塗りされた色がとても美しく、感動しました。「手の仕事」や「水彩」といった授業、指先を使う遊び、教室の柔らかな色合い、そうしたもののおかげなのだと思います。

子どもが学園に入学してからは、クラスの会や保護者向けの勉強会、掃除やイベントの手伝いなどに積極的に参加しています。その中で、同じ思いで移住してきた仲間との交流が深まるのは嬉しいかぎりです。地元の自治会にも関わり、明治時代から続く祭礼に参加したり、猪や鹿の罠猟の手伝いをしたり、エキサイティングな体験ができるのも自然豊かな藤野ならではです。地元の方との交流も深まります。

移住は大変なこともありますが、子どもたちが学園での学びと藤野の生活を楽しんでいることと、私自身も学びや新たな体験を得られることに幸せを感じます。もし5年前の自分に語りかけるなら、「訪れたきっかけを大切にして、なにも心配せずに来なさい!」と自信を持って言いたいと思います。

ライター/保護者 鷹野裕次朗

*在校生保護者、卒業生保護者、教員…シュタイナー学園のお父さんたちとざっくばらんに話してみたい、そんなお父さんのための「疑問解消!お父さんのためのオンライン座談会(6/7(金)19:30~)」を開催します。詳細はこちらのページをご覧ください。