学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2017.06.12

「劇」を通して習うこと、学ぶこと 大人のための体験授業「劇」編

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.2  2017.06.12

シュタイナー学園ニュースレター第2号のご案内です。創刊から多くの方にご登録いただきありがとうございます。反響の多かった体験授業コラムの第二弾『劇』編をお送りします。

シュタイナー教育ってどんな授業をしているの?とよく聞かれるのですが、一番よりよく理解できるのは、その授業を体験することかなと思います。私もこの学園に娘がお世話になるずーっと前から、本やネットで色々知ったつもりでいたけれど、授業を受けた時の感動たるや衝撃的だったので、是非とも興味関心のある方は受けてもらえるといいなあ、という思いを込めてこのレポートを書いています。

授業を体験できる機会はそんなに多くないのですが、毎年5月に開催される、シュタイナー学園のオープンデイでは、大人のための体験授業のプログラムがあります。今回私は「劇」の授業に参加しました。

「国語」とか「算数」はわかりやすいけれど、どうして「劇」?と思いますよね。シュタイナー学園では「劇」を通して、習ったこと・学んだことをより心身にしっかり残していくということを大切にしているのです。8年生や12年生の劇は本格的で、道具や音楽まで自分たちで担当してそれはそれは素晴らしい劇なのです。(一般の方にも観ていただけます!)

今回の体験授業は何の劇だったかというと古事記<をろち劇>。確か中学の歴史の時間に、古事記は日本最古の歴史書です。古事記と日本書紀、「記」と「紀」を間違えないように。江戸時代にこの古事記を研究したのは本居宣長←これも定期テストでよく出ます。…とかそんな登場の仕方をする「古事記」。なので、私なんかは古事記にどんなことが書いてあるのか全く知らなかったし、をろちって何だ?みたいな状態。

シュタイナー学園では、小学3年生になると先生が古事記に登場する神様たちのお話を諳んじて毎日聞かせてくれたり、自分たちで絵を描いたり、文章に残したり。その集大成として、3週間くらいかけて古事記の中に出てくるをろち退治の話をみんなで練習して、劇として在校生の前で発表します。

さて体験授業。

そこにいるだけで整ってしまいそうなオイリュトミー室が会場でした。大学生くらいの若者から、ご年配の方まで、様々な年代の方が参加されていました。

まずみんなで円になって、身体を動かしてみます。足先に意識を向けて、つま先で歩いたり、かかとで歩いたり、足の外側をつけて歩いてみたり。普段とは違う歩き方に、あーかかとで歩くとこんな感じなんだなあとか、外側ってこんななんだ!といちいち発見でした。手の平と違って足の裏の感覚ってあまり意識しませんよね。シュタイナー教育では低学年のうちは特に手足の感覚を目覚めさせることを大切にしているので、毎日の授業の中で、このような動きをたくさんやっているようです。

先生からをろち退治のストーリーをお聞きして、想像を膨らましていきます。その後、坪内逍遥さんがわかりやすく書いてくださっている台本が配られ、爺婆役、クシナダヒメ役、スサノオ役になりきって動いてみたり、セリフを言ってみたり。みなさんのなりきりがすごい!

そして、「ようたぞ!ようたぞ!さあけにようた!」で始まる、ヤマタノオロチがお酒に酔っ払うシーンを、3つのグループそれぞれで、話し合って練習しました。1グループ7人くらいだったのですが、みなさん初めましてにも関わらず、ここはこうしよう、もっとこんな風に動こうなど、ポンポンと意見が飛び出します。実際の授業でも太鼓や手足を使った色々な音や、布を使ったお面など子どもたちから面白いアイディアがどんどん出るそうです。

グループごとに発表したのですが、それぞれ違った感じになって、ヤマタノオロチのおどろおどろしさが際立っていたり、動きが面白かったり、酔っぱらいっぷりがよく表れていたり。50分という短い時間での劇の体験授業だったのですが、演じ切った感があってとても不思議な感覚でした。場の雰囲気なのか?子どもたちがこれをどう演じるのか、想像がつかないだけにとっても楽しみです。古事記には、お米がどうやって生まれたかの起源が記されているそうで、もちろんそのお話も聞くし、「米」「田」という漢字もその時期に習います。

それまでファンタジーの世界にどっぷり浸かっていた子どもが客観的にみることができるようになる時期に合わせて、3年生ではお米づくり、4年生では家づくりを体験します。

自分の足元に意識を向けたり、感覚を手足に集中させたり、グッと身体の中に意識を留めたりすることを助けてくれるそうです。

シュタイナー学園では子どもの心身の成長に合わせ、有機的に繋がった授業が行われてるので発見や感動がそこかしこに散らばっていてあーこんな授業を受けたかった!と思うことばかりなのです。

そんな感動をあなたも是非。

なかむらあや(在校生保護者)