学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2018.12.25

教員からの贈りもの~シュタイナー学園のクリスマス劇

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.50  2018.12.25

深い闇に包まれる聖なるこの時期、シュタイナー学園では二学期の終業の集いのあと、教員が子どもたちのためにクリスマスの劇を上演します。上演する演目は、キリストの誕生を祝う「生誕劇」(1~5年生向け)、アダムとエヴァの楽園追放を描いた「パラダイス劇」(6年生以上)の二つです。

これらの劇は、オーストリアのオーバールーファー村に古くから伝わるクリスマスの劇がもとになっています。かつて娯楽の少なかった時代、クリスマスに上演する劇は人々にとって特別なものでした。村人の中から選ばれた演者は、収穫祭の終わる秋頃から潔斎をして劇の稽古に向かいました。深い闇が続く冬、人々はクリスマス劇を通して光と出会うのです。

日本でも稲刈りが終わった後、秋の実りに感謝し、神に捧げる舞を奉納する神楽が盛んに行われました。神の依代となって神楽を舞う村人は、禊で身を清めてから神楽に臨みました。岩屋に隠れた天照大神を誘い出し、再び光を取り戻す「岩戸開き」の神楽は、この時期に多く奉納される神楽の一つです。日が短くなり闇が深まる冬至に向かう時期、光を待ち望む気持ちは東西を問わず共通の思いなのかもしれません。

さて世界中に約1,000校あるシュタイナー学校では、毎年この時期、教員から子どもたちへの贈り物としてクリスマス劇を上演しています。「生誕劇」で子どもたちはキリストの誕生の場面を通して、自身がかけがえのない存在としてこの世に生まれてきたことを喜びと共に追体験すると言われています。

毎年同じ劇を繰り返し上演していますが、子どもたちは飽きることなく、誰がどの役を演じるのかを楽しみにしています。とくに低学年の子どもたちは、自分たちのクラス担任が演じる役を一瞬たりとも見逃すまいと食い入るように見つめています。このクリスマス劇が子どもたちの心をどれほど豊かにするのかを感じることのできる瞬間です。

シュタイナー学園の教員たちも、学期末の忙しい合間を縫ってどうにか練習時間を捻出し、劇の稽古に向かっています。それは、この時期に子どもたちに向けてクリスマス劇を上演することが、何にも増してかけがえのない贈り物になることを知っているからです。クリスマス劇を観終わった保護者の方から、「温かく満ち足りた気持ちになった」との感想をいただきますが、それは演者である教員も同じです。無事に上演を終え舞台を去るとき、清らかさに満たされたような何とも言えない気持ちになります。

「師走」と呼ばれる年の瀬、大人たちは仕事や家事など様々なことに心を奪われ、せわしなく過ごしています。しかしそのような大人の事情は、子どもたちには預かり知らぬことです。聖なるアドヴェントのこの季節だからこそ、一日一日を丁寧に過ごすことがとても大切です。光を待ち望み、ろうそくを灯して心を静めるひとときは、何よりも豊かな体験となることでしょう。

皆さま、どうぞよいクリスマスを。

そして、良い新年をお迎えください。

教員 白田 拓子

本年もニュースレターをお読みくださり、ありがとうございました。

新年も様々な情報をお届けしてまいります。どうぞよろしくお願いします。

シュタイナー学園 ニュースレター編集部一同