学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2019.01.16

親育ち、子育ち、思春期のお話

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.51  2019.1.16

幼稚園からシュタイナー教育を選び、4人の子どもをシュタイナー学園で育てたKさんに思春期についてのお話を伺いました。

シュタイナー教育との出会いは、上の子が幼稚園の未就園児クラスに入り、分刻みで進める保育に違和感を持っていた時、子どものためのオイリュトミークラスを知ったのがきっかけです。それまで、シュタイナー教育とは全くの無縁でした。我が子の10年後を見据えた時、レールを引いてしまう教育ではなく、物事を知ることの楽しさを感じ、学んでほしいと思っていました。オイリュトミークラスをきっかけにシュタイナー教育を選んでから、子どもと共に親も学びはじめました。

4人も子どもがいると、9歳の危機と言われる時期をむかえる子と、思春期をむかえる子が常にいる状況でした。4人とも性格が違いますし、その対応もそれぞれ。アイロンをかけながら子どもの態度に涙が出てくることもありました。上の3人はそれぞれ何かをしでかしてくれて、その度に謝りに行くのが恒例。情けなくなる気持ちを抑え、子どもにはやってしまったことを責めるのではなく、きちんと謝ることを教えてきました。時には子どもを連れ、頭を下げに行きました。

一時期は口ごたえも激しく、決まって「他のうちは…」と言いましたが、「ここに生まれてきたのだから、他は他、うちはうち」が私の決まり文句でした。“かわいそうかな”と心をよぎることもありましたが、揺れ動く気持ちももちろんありました。思春期の大変さを担任の先生に相談した時は、「思春期の時期にちゃんと自分の気持ちを出せるのは大切な事よ。それが大人になってからじゃ大変だから」と言われ、反抗できる環境が必要なのだと実感しました。

7、8年生は特に大変な時期。11年生から12年生になるにつれて、子どもは大きく成長してきます。自分の子だけではなく、1年生のときからずっと見てきた周りの子もそうです。12年間一貫で良かったのは、いろんな人の目があったこと。これはとてもありがたいことでした。自分の子どもだけでなく、他の子もいろんな形で見てくれるのが学園の良さです。

3歳までの子育ては大切だと言われていますが、思春期はそれ以上に大切だと思います。反抗するというのは、ちゃんと育っているということ。シュタイナー学校に入ったことで親の私もいろいろ学びながらきましたが、子どもの成長と一緒に子どもが親を育ててくれていると、4人を育てて思いました。

上の娘はシュタイナーシューレ(※)から9年生で藤野に来ましたが、他の高校に進学しました。幼稚園からずっとシュタイナー教育でしたから、私が「こんなに先生が子どもを一人ひとり見てくれて、自由な学校はないよ」というと、「もう自由はいらない」と言い放ち、他の高校に進学を決めました。シュタイナー学校ではない学校への憧れがあったのだと思います。でも、いざ入学してみると多くの違和感を持ったようです。が、そのまま続け、支援学校の先生になりました。

二番目の娘は、思春期は4人の中で最も激しく、特に家では父親と取っ組み合いのけんかをするほどした。誰よりも人見知りで、場所になれるのも人一倍時間がかかった子で、親泣かせなところもありました。その娘も、今では保育士という職を選びました。

三番目の息子は、落ち着きがなかったのか、朝から校庭を2~3人で走らされているのが日課で、けんかや、やってほしくないことをことごとくやってのけ、女の子との違いに戸惑うことばかり。それが、野球チームの監督との出会いをきっかけに、9年後半からはっきりと変わってきました。12年生の卒業プロジェクトで働く人の取材を通してやりたいことが見えてきて、自分の道をみつけ出し、写真家の道に進みました。

「あなたにとって仕事とは」 働く人を取材した卒業プロジェクト

末の娘は姉や兄を見てきたからか全然手のかからない子で、大きな問題や反抗期らしいこともありませんでした。でもそれが親の大きな勘違いで、11年生頃に、「この子は手がかからない子ではなく、私が手をかけずにきてしまった」ということにはっと気がきました。いろいろなことを見逃してきたのだと反省しました。今は将来を模索しながら大学で学んでいます。

子育ては親の思うようにはいかないけれど、最終的にそれぞれが自分の足でしっかり歩んでいければいいなと思います。私の子育てもあとわずかで終わりです。

※三鷹にあったNPO時代のフリースクール