学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2019.11.20

教育

心地よい空間に生まれ変わったある場所

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.72  2019.11.20

このたびの台風19号により被災されたみなさまには心よりお見舞い申し上げます。

夏休み明け、久しぶりに学園に来てみると、子どもたちにとって大切な、ある場所が大変身を遂げていました。その場所とは…トイレです!名倉校舎の1階トイレが、今年新しくなりました。トイレが新しくなった、なんてわざわざ書くべきこと?と感じられるかもしれませんが、このトイレ、色、素材、形態…こだわり抜いてデザインされた、シュタイナー学園らしいトイレなのです。今回のニュースレターでは、生まれ変わったトイレをご紹介します。

こだわりその1. 自然由来の素材

トイレ空間全体に自然由来の素材が使われています。鉱物系塗料やタイル、合板ではなく、無垢の木材を多用し、床材も化学素材の塩ビシートではなく、亜麻仁油や鉱物などから作られている天然素材のリノリュウムで仕上げられ、温かく癒しを感じられる空間になりました。また、手を洗う水道がワンタッチではなく蛇口になっているのは、「手で回す」という行為を大切にしたいという先生方の思いが込められているそうです。

こだわりその2. 安心できる空間形態

既存の四角いトイレ空間の改修という制約がある中で、居心地のいい居住空間にするためにさまざまな工夫がされています。洗面台の形と配置、入り口扉のガラス窓のデザイン、手作りの木の枝の取手が入り口扉にあしらわれていること…。細かな部分まで考え抜かれた設計は、子どもたちが安心できる、居心地のよい場所にしたいという気持ちが形になったものです。

こだわりその3. 寒さからの解放!

冬になると、とにかく寒かった名倉校舎のトイレ。そんな寒さを改善するためにラジエーター式温水パネルの暖房が取り入れられました。床下に断熱材を入れて二重窓にしたので、湿度も下げることができ、視覚的にも暖かさや安心感を感じられる空間になりました。

そのほか、老朽化していた地下部分の配管も取り替えるなど、見えないところにも大きな労力をかけて行われた夏休み中の大工事。休み明け、美しく、心地よく生まれ変わったトイレに子どもたちは大喜びでした。

名倉校舎にお越しの際は、ぜひ思いあふれる、この美しいトイレにも立ち寄ってみてくださいね。

保護者/ライター 中村 暁野