学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2022.06.08

教育

寄付からひろがる学園の未来

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.134 2022.6.8

皆さんは今までに自分の大切なお金や物を寄付された経験はあるでしょうか。今回は学園で新たに立ち上げた寄付サイトについてのお知らせです。
 
私は保護者として学園に関わり、初めて「学校法人の寄付行為」という言葉を耳にしました。説明される方からいつも「会社の定款のようなものです」と説明を受けていました。なぜ、定款(会社の憲法ような根本原則を定めたもの)を学校法人では「寄付する行為」と呼ぶのか不思議でした。恥ずかしながら、私がこの意味を深く理解できたのは財務担当の理事になってしばらくしてからでした。

元来、学校法人は設立創始者の方々が、子どもの学校教育のため私財を学校へ寄付し、その資金で校舎や校庭を準備して始めるのが常だったからです。教育の場所を準備するとなると相当な資金が必要です。しかし、私たちの学園は特区研究開発校として認可され、廃校になった公立小学校を借り受けて始めることができたため、金銭的負担は少なくすみました。
 
シュタイナー学園は学校法人設立から18年、東京シュタイナーシューレ設立から35年が経過し、100年続く学園構想の中で青年期から壮年期へと歩みを進めようとしています。シュタイナー教育を実践する理想の校舎とは何か、先生方が熱い思いを持ちつつ、心身ともに健康で安心できる働き方とは何か、若い人たちがもっと関心を持って教員になってくれるためにはどうしたら良いのか、特別な支援が必要な子どものための施設や教員、カリキュラムはどうしたら実現できるのか、経済的に入学が難しい家庭に奨学金制度のようなものは準備できないのか、など実現したいことがたくさんあります。
 
寄付の歴史は相当古く、2000年前の聖書にも「寄付する者は惜しみなく寄付するように」と書かれています。米国ではその精神が浸透しているせいか、寄付活動が盛んです。ある調査によれば日本の10倍近い寄付が行われているようです。日本でも近年は寄付文化が少しずつ根付いているようで寄付総額が上昇傾向にあります。
 
なぜ寄付するのか理由を聞いた調査では、日本は「他人や社会の役に立ちたいから」、米国は「正しいことをしていると思うから」が一番の理由でした。私たちもシュタイナー教育が現代の子どもたちや将来の日本にとって本当に大切な教育だから支えたい、この素晴らしい教育をもっと多くの日本の子どもたちに届けたい、それが正しいことだから、という思いで活動しています。そんな思いに共感して定期的に寄付して頂ける方をまずは全国で1000人探し出そうというのが今の私たちの目標です。そのために少額でも簡単に寄付しやすいサイトを作りました。
 
私たちは数年前にある方から「風光山荘」という美しい日本庭園と茶屋のある邸宅を遺贈寄付して頂き、茶道や生花の実習をはじめ、週末クラス「もりのね」、学童保育、保護者の集まりなどに利用させて頂いています。「寄付行為」という言葉に象徴されるように学園は今までもたくさんの方々の有形、無形の寄付活動によって支えられてきました。そして、これからもその形は変わらないでしょう。私たちの思いを実現すべく、多くの皆さまに引き続き支えて頂けたらと思っています。 
 
ライター/理事/保護者 伊藤彰洋

写真/「風光山荘」にて保護者の手づくり品販売


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