学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2021.10.27

子ども

子どもたちが感じたパラグライダー&カヌー合宿―8年生の感想文よりー 

 

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.118 2021.10.27

シュタイナー学園では初等部のころからさまざまな実習を行います。実習では、ふだんおとなしい子が大胆さを見せたり、思わぬリーダーシップを発揮したり、教室とはちがう子どもたちの一面が見えてきます。今回は、以前ご紹介したパラグライダー&カヌー合宿に参加した、8年(中学2年)生の感想文を抜粋でご紹介します。(表記は原文)

「生きた体験から学ぶ−8年生のパラグライダー&カヌー合宿−」(ニュースレターVOL.114)の記事はこちら

体がぐっと上に引っ張られ、足が地面から離れる。ふと下を見ると、地面ははるか下にあり、跳ぶ前には見えなかった遠くの山々が見渡せた。ただ、上から支えられているからか、全く怖くはなかった。

今思い返して見ると、鳥も飛ぶときはこんな感じなのかな、という気がする。

ただ、鳥と違うのは、飛ぶときにパラグライダーを持って坂を上らなければならないということだ。僕は飛ぶときよりも帰ってくる方に体力を使っていた気がする。ただ、旗の近くまで飛べた時は、その疲れも忘れるほど気持ちよかった。

* * *

一日目。「人は自分で空を飛べない。」そんな現実は風と共に吹き飛び、私は今空中を…飛行している。もちろん自力ではない。揚力に支えられて、である。それでも飛んだ時の感動はとても大きなものだ。飛行機にもヘリコプターにも、もちろんロケットだって乗っていない。自ら風をあやつっている。機械に頼っていない、その現実が私を満足させてくれる。怖い気持ちがだんだん薄れて、楽しい気持ちが大きくなる。時間が経つのがとても速く感じられ、気付けば夕暮れ。すごいスピードで一日は過ぎて行った。

風の気持ちよさ。新鮮さ。優しさ。そんな力を感じた私の三日間。

* * *

僕はパラグライダーに実際乗ってみるまで、落ちるかも知れない、一人だけで空中にいるなんて、怖い、と思っていた。けれども一旦乗ってしまうと、やさしい風の抵抗と、空中なのにまるで水の中に入っている時のようなふわっとした感覚に怖さを忘れた。何度か乗るうちに、それは夢の世界にいるかのように満ち足りた気分となっていった。けれど、これと真逆なところがパラグライダーにはある。それは飛んだあとのパラグライダーを丘の上まで運ぶという作業である。

パラグライダーは、ずっと下っていくものと思っていた。ところが実際に乗ってみると一旦下がっても浮くことがあるということが分かった。僕は大空の元で感じた。揚力を。これこそが揚力なのだ! 空気の力は強い。

タンポポの綿毛のように軽いわけでもないこの僕を青く広い空に浮かばせたのだから。

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私は、カヌーが一番楽しかった。始め、水の上に押し出された時は、緊張して体も固まっていたが、慣れてくると、心地の良い安心感があった。思ったよりも体が水面に近く、本当に水の中にいるような気分だった。パドルを動かすと、水の力の強さを知った。カヌーを止めるときや、向きを変える時などは、特に水の重さを感じられた。船のようにただ乗っているのも楽しいが、自分たちで漕いで目的地を目指すのは倍の楽しさがあると私は思う。

また、漕いでいると力によっては滑るように前に進んでいるのが感じられる。カヌーだからこそ、その水面を引っ張られるようにして滑っていくのが感じられるのだろう。

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三日目の洞窟体験では、洞窟の寒さが分かる。それは、冬の寒さと違い、芯まで通るような寒さだ。岩にライトを照らすと銀色の物が光った。銀かもしれない。と思い触ってみるとそれは透き通るような氷だったのに驚いた。その氷はよく見ると正五角形や正六角形になっていて、私は氷がこんなにも美しいことを知れて良かったと思った。そして、洞窟から地上に出るとあまりの明るさに緑の若葉が輝いているように見えた。

子どもたち自身の言葉で語られた合宿の様子はいかがだったでしょうか。同じプログラムを体験しても一人ひとり異なる感動が、その子の深い学びとなって心に残ったことでしょう。