学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2020.03.04

子ども

シュタイナー学園の卒業式

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.78  2020.03.4

まだ肌寒い3月の終わり、シュタイナー学園高等部でも12年生を送り出す卒業式が行われます。昨年、娘のシュタイナー学園入学2年目にして初めて、高等部の卒業式に参加することができました。子どもたちそれぞれの個性を伸ばすシュタイナー教育を受けた子どもたちは、一体どんなふうに成長をして、どんなふうに社会の中で生きていくのだろう。入学前に漠然と抱いていたそんな思いに対する、ひとつの答えをもらったような気がしました。

主役である12年生たちは、入場すると体育館に設けられたステージに用意された席に座ります。式に参加している在校生や先生、私たち保護者に向き合うように座るので、一人ひとりの姿、表情がよく見えます。スーツ、着物、ドレス思い思いに着飾った、それぞれの晴れ姿。卒業証書が渡され、初・中等部時代の先生からの祝辞や、保護者からの歌を贈る時間、在校生からの言葉など、心のこもった時間のあとに、卒業生の言葉があります。

ステージに並んだ12年生はひとりずつ立ち上がり、自分の言葉で語ります。先生やクラスメイト、保護者への感謝を述べる子、学ぶことが楽しかったという子、これからの生活が楽しみで仕方ないという子…。いわゆる「答辞」のような形とは大きくちがう、18歳の少年少女たちの飾らない、等身大の言葉です。それらを聞いていて、胸がいっぱいになりました。「答えは決してひとつじゃない」ということをシュタイナー教育の12年間で学んだ12年生たち。一人ひとりの言葉に、それぞれが自分の力を信じて歩いていこうとする、そんな希望に満ちた力を感じました。社会に飛び出し、歩いていこうとする時に、「自分の力を信じられる」ことは、とても大きな力になると思います。

最後は先生、保護者、在校生、みんなで手を組みアーチをつくり、卒業生を送り出します。長い長いアーチをくぐって旅立っていく、12年生たちの表情がいつまでも胸に残っています。

保護者/ライター 中村暁野